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全商漣の紛らわしい記事

全商漣のHPに「トヨタ1社で1,964億円も還付消費税の輸出戻し税 04年度で試算 上位10社で7,727億円 中小業者は泣く泣く納税
関東学院大学法科大学院教授 湖東京至さんが解説 」
と、題した記事が載っている。

此れが実に紛らわしい書き方に成って居る、先ずは下のリンクから当該記事を参照頂きたい。

全商漣―消費税

輸出上位10社の一覧表の下に「トヨタなどの輸出大企業は消費税を全く納めないばかりか、この仕組みで巨額の還付金『輸出補助金』を得ているのです」と有るのですが、此れを其の侭読むと、「還付された消費税額」が「不当所得」に成って居ると取れてしまうのは私だけでしょうか。

結論から言いますと、少なくともこの記事に記載された範囲では、各企業とも課税分の消費税は払っています、この件では「補助金」は受け取っていません。


 輸出戻し税は、外国の消費者から消費税がとれないとして、輸出売り上げにゼロ%の税率をかけます。従って輸出売り上げにかかる消費税はゼロ円です。一方仕入れにかかった消費税は輸出売り上げに相当する5%分を引くことができます。ゼロから5%相当分の消費税を引くのですから、常にマイナス、「輸出戻し税」がもらえるわけです。


此れは、仕入れ段階では国内消費分なのか、輸出分なのか判らない為一括して仕入れ価格に上乗せされ「支払済み」に成る消費税を、輸出した分だけ還付されるのですから、対税務当局との間ではマイナスに成るだけです、しかし、実際には「仕入れ先」を経由して既に支払済みに成って居るのです。

 輸出大企業は輸出だけではなく国内販売もしています。例えばトヨタの年間の課税売り上げは3兆6881億円(総売上高の約40%)。これに5%をかけた「課税売り上げにかかる税額」は1844億円です。課税売り上げに対応する仕入れ高は3兆0239億円で、5%をかけた1512億円が「国内仕入れにかかる税額」となります。「課税売り上げにかかる税額」1844億円から「国内仕入れにかかる税額」1512億を引いた332億円が、本来、トヨタが税務署に納める税金です。
 ところが、トヨタの輸出戻し税は2296億円ありますから、差し引き、1964億円の還付を受けることになります(表参照)。つまり、課税売り上げにかかる消費税は、それを上回る輸出戻し税によって相殺され、税務署には1円も納付されないわけです。


ここも可笑しいですね。本来払う必要のない分を「払い済み」に成って居るのですから、戻して貰うのは当然です、寧ろ、税務署は332億円を取り損なわない先取りしている事に成ります。「税務署には1円も納付されないわけです」だなんて、如何してこんな文章に成るのでしょうか。


 もし輸出戻し税制度(ゼロ税率制度)がなく、輸出販売が単なる非課税だとしたら、トヨタは課税売り上げにかかる消費税332億円を納税しなければなりません。そう考えると、消費税は輸出大企業にとって実にうまみのある制度だということになります。


ここに至っては、全く理解不能です。

「還付されている」のは、「仕入れ段階で払い済み」に成る「消費税」分であり、仕入れ段階では国内消費される分なのか、輸出される分なのか判らない為内税の消費税分も仕入れ価格に入っています、輸出された時点で此れが還付されているだけなのです。
又、国内消費分の消費税は、払い過ぎ分を還付される中から差し引かれる形で払われています。

私は過去のエントリーに有る様に、決して輸出企業群の活動に無制限のエールを送るものでは有りませんし、それどころか財界の平生の発言には無遠慮な批判をしている方ですが、この記事は非難せざるを得ません。
一個人の記事で有るなら単なる「頓珍漢!」ですが、組織のホームページに載せる記事としては「不適当」等と言う言葉では、とてもその実体を表せないものです。

企業が「消費税」自体を利益として受け取る事は有りません。(脱税しない限り)
下請けや、販売元が消費税分を価格転嫁できるか如何かという事と、輸出戻し税
とは別の問題なのです。

例えば、今トヨタが、
百五万円の部品を仕入れたとします、五万円は消費税分ですね、トヨタはこれを
三百十五万円で国内に販売しました、トヨタは消費税を幾ら払うのでしょうか?

次に、トヨタが
百五万円の部品を仕入れました、五万円は消費税分ですね、トヨタはこれを
三百十五万円で海外へ輸出しました。トヨタは消費税を幾ら払うのでしょうか?

内税・外税の違いは無視して下さい。

最初のケースでは、三百十五万円×5%=十五万円-五万円=十万円です。
差し引く五万円は仕入れ価格に入っている分ですね。

後のケースでは、三百十五万円×0%=0円-五万円=マイナス五万円です。
従って五万円の「戻し税」が発生します、これを国内販売分の支払うべき消費税
から差し引くわけです。

消費税は企業が負担するのでは無いのです、飽くまでも消費者が負担する「税」
なのです。消費者から預かって税務署へ払うのが企業だと言う事です。
消費者が海外にいる場合は「日本の税制」の対象には出来ませんから、0%課税
に成ります。ですから仕入れ段階で払い済みの消費税分は「戻される」のです。

税制自体が理解されていないと意味がわからないかも知れません。
しかし、法文を読んで理解するのはもっと難しいかもしれません。

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4件のコメント

[C21]

お説の通りだと思います.大企業とくに輸出企業には税制上の(国民には知られていない)特典が(多分無数に)あると認識していますが,この件に関しては全商連の記事は間違ってますね.

消費税は取引金額が1000万円以下の事業者は免税になります.当方などはこの恩恵を存分に受けていますが(ソフトウェア業,仕入れがゼロなので,売り上げの5%が手取りになる),実際には契約金額でそれを織り込んでますので,実質意味がないかもしれません.中間で消費税相当分をコミッションとして抜かれる場合もあります.

零細商工業者の場合も消費税相当分は所得になりますが,末端の小売業者などでは消費税をかけていないことが多く,この場合仕入れにかかっている消費税はそのまま自己負担になってしまいます.今は全面的に内税という建前になっているようなので,少し違うかもしれませんが.

[C24]

ようこそ!、いらっしゃいませ。
全商連ともあろう組織が、不思議ですね。

消費税では事業者は悪者扱いされますね、私も個人事業者(サービス業)ですので、サラリーマン諸氏からは非難されるのですが、実体はトンでもない事です。
価格設定が自由に出来るなら可能でしょうが、免税事業者ごとき零細に価格決定権は有りませんから、結局、仕入れに掛かる分だけは持ち出しに成っているのが現状でしょう。

私の業界でも将来、税率が上がった時に如何するかが話題に成った事が有ります、結論は出ませんでしたが。
相手先との力関係で決まると、結局「カブル」事に成る恐れが強いようです。

[C103] もっと知りたいですね

輸出戻し税は、不公平だと私は考えますが、反対意見があることは、よいことだと思います。輸出は、非課税にすれば数百億トヨタは、しはらわなくてはいけないのですよね。まーそもそも私の場合、免税点が1000万以下になったことのほうが納得いかないです。私は、自営でパブを経営していますがもし女の子を一人一日一万円で雇ったとします。10人いれば日売り十万円、1ヶ月30日として300万、年3600万 月商300万だったら人件費にしかなりません。それでも消費税を払えというのでしょうか?
  • 2008-11-26
  • 投稿者 : もっちゃん
  • URL
  • 編集

[C104] 最初にお伝えして置かなくては・・・

今晩は^^

私は消費税反対論者です、なぜなら日本ほど工業化された社会では基本的にデフレ(消費不足)に成るからです。 その貴重な消費に罰金を掛ける事となる消費税には賛成出来るはずが無いのです。

輸出戻し税の件は誤解が多い様に思いますが、実際に輸出をされれば理解できるだろうと思われます。ただ一般的には輸出事業に携わる方は多くは無いので理解し難いのかもしれませんね。

例えば、貴方が製造業を経営して見えると想定してください。
部品や原料は仕入れをしますね、その値段には納入業者の方で消費税を負担しています。貴方が年間1000万円の原料を仕入れたとするとその中の50万円は消費税分です、それは納入業者が納税します。貴方がその原料を加工して購入経費500万円だとしますと25万の消費税は納入先が納税します、人件費500万掛かったとします、所が諸般の事情から2000万で国内にしか売れなかったとします。

この場合、総売上2000万 ― 原料価格1000万 ― 加工経費500万 ― 人件費500万 = 0 ですから貴方が納める消費税は 0万 × 5% = 0万 と言う事に成ります。

所が、このケースで売り先だけが外国だったとします、すると

総売上2000万 ― 人件費500万 =1500万 × 5%=75万戻ってきます。
これは貴方に取って利益でしょうか?


さて現実の貴方のケースですが、やはり消費税は「カブリ」に成っているのでしょうね?
だからこそ「払わなくては成らないのでしょうか?」と言う言葉になるのだと推察します。ここは政府や税務署の「狡さ」が引き起こした矛盾だと思っています。

貴方の説明だけでは詳細が判りませんので税理士さんか税務署にお尋ねに成る方が正確だと思いますが、一般論としては総売上から経費を差し引いた純売り上げの5%を納める義務が有るのです。ですが人件費は経費ですから月額総売り上げ300万で月額人件費300万であれば消費税は発生しない事となります。

述べましたのは一般論と、貴方の概略説明に基づいていますので不正確な部分が有るかもしれませんが、参考に成れば幸いです。

  • 2008-11-27
  • 投稿者 : 狂愚男
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