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5/2日 NHK.TV 経済羅針盤(其の1)

   出演 日本銀行 福井俊彦総裁



先日の竹中大臣と今回の総裁の発言を繋げると、ブラックホールが見えて来ました。ブラックホールと言うのは、それ自体は見えないのですが、それ故、見えるはずのものが見えなくなる事で、返って其の存在が際立つのです。



1・総裁は景気の回復傾向を、「金融・企業・家計が我慢をした結果だ」として今しばらくの我慢が必要とした。司会がこれを受けて「政府の対策が成功したのではなく、民間の自助努力が実ってきたと見て良いか?」との問いに、総裁は「其の通りだ」と肯定した。 



2・局側が、「現在、輸出が好調で『輸出増 ⇒ 売上増 ⇒ 収益増 ⇒ 設備投資増 ⇒ 個人消費増 ⇒ 輸出増』(スクリーン)と言う好循環に入る」との解説。



3・総裁はインタビュー後半では「現状、個人消費の先行回復も見られるので、この勢いを削がない様にしたい」と述べた。



以上、多きに問題だと思われる部分を抜粋して見ました。が、これほどの混乱を来した会話に如何コメントしたものか、正直言って私は困惑している。

先に「マクロ経済論」以前の混乱を2点指摘して置いてから、論じて見ます。



1・に於て「今後も暫く我慢が必要」としながら、3・に於て「消費回復に期待」を表明している。どちらが本心なのか?。



2・これはNHKのスクリーンに表示されたのですが「回復循環図」の最後、個人消費の回復がどんな経路で輸出の増加に成るのか?、番組の中で説明は無かった。



以上の2点は経済論以前の問題です。



「景気」とは「国民総生産」の事であり、国内に流通する通貨量によって規定されます。

(これが増加すれば、設備投資も増え雇用も増えます)

詰まり国民総生産(三面等価の原則から総収入も総支出も同額)の額は、過去のデーターから判明している通貨の流通速度(1.7)*流通通貨量によって決定され、流通速度は殆ど変化が無い事は証明されていますから、通貨の量が決まれば、国民総生産額も自ずと決まる事に成ります。

但し、潜在生産力の範囲内に限られ、若しこれを超えれば其の分だけのインフレに成ります。



さて以上から、通貨の速度と量によって決まる国民総生産(景気)が、如何して「金融・企業・家計の我慢」と関係するのでしょうか。

強いて言うなら「金融・企業・家計の我慢」に拠って起き得るのは、「通貨の流通速度の低下」でしょう。

それは、一層の国民総生産の減少(景気の悪化)にしか繋がらないのです。



ここで一転、眼を「ミクロ問題」に向けて見ましょう。

こうなれば正解なのです。ミクロ(経営)の問題であれば確かに、収入が減れば支出を押さえるべきなのです。景気の回復基調が見通せれば、企業に於ては先行投資のチャンスに成るでしょう。当然、金融機関に於ては貸し付けても返済の可能性が高いと見込める様に成るでしょう。家計に於いては収入が増え出せば、其の分支出を増やしても良いでしょう。



景気とはマクロ(国全体)の経済環境の事であり、ミクロ(経営)はマクロに適応する選択をするのです。

ミクロがどんな選択をし様と、マクロ環境は変化しません。言わば、米と麦が半分づつ入っている20リッター缶に、小豆も欲しいからと言って5リッターの小豆を入れれば、5リッター分だけ米と麦がこぼれ落ちるだけなのです。





(其の2)へ続く




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