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格差の正体

全野




田中 直毅氏に付いては良く知らないのですが、偶々見付けた記事に少し異論を述べてみたいと思います。最後の方から私が特徴的と捕らえた部分を引用します。


「頑張る人に対してはそれなりにインセンティブを社会的に設計すべきだと思っております。では、結果として何が起きるのかと考えますと、例えばそういう形で税引後の高い報酬率を手にした人たちを認めるということになりますと、例えば豪華なヨットハーバーで大変快適なヨットの保有者になる、ヨットを係留しそれを利用する人たちが出てくるわけです。それは夢のような話なのですが、例えばそれを怪しからん、とわれわれの社会で言うのかどうかということになります」



先ず、氏が言う「頑張る人」が誰を指すのか?、ここではハッキリ言っていませんがこの文章からは「頑張る人」では無く、「稼いだ人」と言う方が適切だと思われます。何故なら「頑張る・頑張らない」は主観的評価であり万人が納得できるものではないからです。更に、「稼いだ」と言う結果が頑張った故なのか、運が良かっただけなのか、単にズルをした結果なのかは判断の難しい所です。それはこの所、一時所謂「構造改革派」に持て囃された「ホリエもん」や「村上世彰」等が疑惑を持たれ逮捕や事情聴取されるなどの事例から明らかでしょう。この問題点をさて置くとしてもこの文章は所謂、「格差容認論者」の典型的発言ですが、この手の発言は「格差」の本当の問題点を隠すものです。曰く「嫉妬から成功者の足を引っ張る」とか、「高額所得者に高率の課税を掛けるのは罰金になる」とか、の小泉的欺瞞そのものなのです。



高額所得者がその全てを消費(投資を含む)してくれるなら、問題は無いのです。高額所得者に低い税率を適用し可処分所得を大きくした時問題なのは、消費されないで貯蔵される貨幣が多くなる事なのです。しかし、この文章は消費の贅沢さを僻んで居る様に書かれています、問題の本質を矮小化し隠蔽に荷担していると言わねば成りません。



この消費されない部分の所得を、私は「不動蓄積」と呼んでいますが、詰まり貨幣経済本来の機能である「商品との交換」に使用されない部分は全て「不動蓄積」なのです。
この部分がダムに溜まる水の如く蓄積されると、下流では水枯れならぬ「貨幣枯れ」が起きる事は自明でしょう。銀行が「事業振興」への融資を本業としていた時代なら、その多くは借り入れ企業により直ちに投資され、滞る事無く生活経済市場に還流されましたが、現在では銀行は単なる「高利貸し」と化し生活経済市場への寄生者と成り果てましたから、一時的な滞留とは言えないでしょう。
この部分の貨幣は単に「貨幣枯れ」を招くだけでなく、その量が現在ほど巨大になると、ダムが決壊した時起きるであろう激インフレへの恐怖から通貨当局の適切なマネーサプライの管理を歪めます。それが「失われた10年」の原因です。



更に「投機市場」に入りますと、殆ど「消費」の為に出てくる事は有りません。永久凍土の如くそこに止まり続け、雪達磨の如く膨れつづけるのです。それが現在の、原油他の原料市場での実需以上の高騰を齎し、更なる「不動蓄積」の膨張を齎しています。
これは「貨幣経済への寄生」としか言い様が無いのです。



ホリエもんや村上ファンドを持て囃した連中は「貨幣経済への寄生」に憧れた事に成ります、「不動蓄積」の膨張を政策的に誘導した小泉・竹中の狙いがここに有った事は言うまでも有りません。





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