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中日新聞社説に18世紀のゾンビ!?

中日新聞10/30朝刊 社説

この社説は「TPP自体への認識」問題以前に「貿易」への認識にも大問題を内包しています。


 「自由貿易は自分も相手も損をせず、やがて双方がプラスになる関係です。貿易通商はゼロサムではなく「プラスサム(足してプラスになる)ゲーム」なのです。


 たとえば双方が関税をゼロにすれば、互いに得意とする物品を交換するようになる。その結果、双方が国内にある資源をより効率的に使って生産や消費を伸ばせるようになる。これは「比較優位」といって、国際経済学のもっとも基本的な定理でもあります。」


 この部分に端的に現れていますが、生産性が遥かに低く顕在需要すら満たせなかった18世紀の「自由貿易論」其の侭です。
 
このBLOGでも自由貿易の根拠で述べて有ります。

この論理が考え出された時代には一定の有効性も有ったのです、何せ生産要素の大部分は「人」だったのですから、輸出による生産増加は其の侭「雇用の増加=消費力の増大」に繋がり経済の強化にも役立ち双方の国民厚生にも役立ったのです。

 しかし、現在のように比較優位産業の生産性高の要素が「資本集積の高度化」に依存するようになると、この増加分は必ずしも雇用の増加ではなく更なる「資本集積の進展=雇用減少=消費力の低下」となってしまうのです。「供給の論理」は満たしているのですが「消費の論理」は埒外に置いています。双方の比較劣位産業から輩出された「余剰労働力」の全てが比較優位産業に従事できる訳ではないでしょう、それは高生産性(少労働力)を誇って居るからこそ比較優位なのですから、この排除された労働力分は双方の国において「消費量」の減少に繋がります。詰まり、この論理に有る重要な欠落は「需要量」への考察が無い事です、即ち両国合わせた合計総生産量と合計総需要量との関係です、現在の日本の様に大量の需要が潜在化してる時に輸入までして供給を増やしても消費量は増えません、その分は相手国に於いて更なる失業者の増大を齎すでしょう。合計利益の増大分を消費出来るだけの労働分配(消費力)が担保されない限り、比較優位産業の合計利益は増大(人減らし)するでしょうが、合計経済規模が増大するのでは無いしそれは両国の合計国民利益が増大するものでは無いのです。



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